3DCG初心者のための3DCG制作の流れと活用法

3DCG制作の流れを初心者の方向けに紹介します。最近でこそ3DCGの制作画面や活用法を色々なところで見れますが、それでも何をやっているんだかわからないと思うので、どうやってできあがっているのかを重点的に解説します。

3DCG制作の流れ、つまり「どうやって作って行くのか」は主に次のような流れになっています。

3DCG制作の流れ

各工程でできるものがあります。3DCGは利用できる範囲が広いので、作りたいものによって制作過程が変化するのが特徴とも言えます。

それぞれの工程について見ていきます。

モデリング

モデリング

形・物体を作ることです。人、動物、乗り物、植物、建物など、物体を作るのがこの工程です。

基本的にはポリゴンモデリングというのが主流ですが、他にも色々な作り方があります。
最近だと3Dスキャンなんていって、実際に現実のものをスキャンして、モデルデータにすることもできます。

マテリアル・テクスチャ

形を作ったら、色を付けたいですよね。 形を作っただけでは紙粘土を例にすると、形だけできてて真っ白い状態です。

なので、色や質感を付けます。 3DCG用語でいうと質感設定、テクスチャリングというところに入ります。

簡単に言うと、「どんな材質のものなのか(木、プラスチック、鉄など)を決める」といったことや、「プラモにシールを貼る」といった雰囲気のことです。

質感設定ではその物体の色、反射、透明度などの様々な”質感”を設定していきます。 その物体が金属なのか、プラスチックなのか、宝石なのか、皮膚なのかといったところです。

これに対して、テクスチャリングはシールを貼るような感覚でポリゴンに模様を付けていきます。 このシールに当たるのは、2Dの画像になります。 この2Dの画像を「テクスチャ」と言います。

色まで付けたらモデルの完成です! では、仮にキャラクターモデルができたとして進めていきましょう。

workflow_charactor

この段階でモデルはできたので、3DCGで形を作って3Dプリンタでフィギュアが作りたいなんて人とか、3DモデルをWEBで公開したいとか、作画のアタリに使いたいとか、3Dで配置の確認とか実際形にするとどうなるかシミュレーションがしたいなんて人は、基本的に後の工程はいらないです。

セットアップ

workflow_setup

キャラクターモデルができましたが、このままでは動かない人形と同じです。 動かせるようにしましょう。

とってもCGらしいコンピューターっぽぃ作業を要求されるので、ここで結構苦戦する人が多いです。なので、3DCGの動画まで持っていく人が少ないです。 CGの業界でも、よく面倒な作業として位置づけられている作業の一つです。

ただし、一回セットアップできてしまえば、あとは好きなだけ動かせるデジタルフィギュアができます。

この段階でアニメーション付けができるようになるので、セットアップ付きモデルデータとしてMMD(Miku Miku Dance)用などに公開したり、ポージングのできるデジタルフィギュアとして公開したりといったことができます。

アニメーション

workflow_animation

セットアップが終わったので、キャラクターを動かしてアニメーションにします。

3DCGのアニメーション付けも2Dと基本は一緒です。 次々に切り替わるポーズを高速で表示すると、動いているように見えます。

2Dと違うと言えば、3Dなので、360°見回すこともできるといったことです。(ゲーム的な)

変わり種としては、モーションキャプチャという現実のアクターさん(動く人、俳優さん)がいて、その人に器具を付けてモーション情報を取り出すといった方法もあります。 アメリカの映画のメイキングなんかで見ることのできる、変なスーツ着て動いてるやつです。
最近ではKinect(Xboxのキネクト)が出てきたことによって、普通の一般家庭でもモーションキャプチャができるようになりました。 MMD(Miku Miku Dance)の動画なんかを見ると、実際に動画にできるくらいの高精度なモーションキャプチャができるようです。

3DCGの特性として、同じ動きを他のキャラクターに流し込むといったこともできます。結構制限があったり難しかったりしますが。集団のダンスアニメーションなんかでよくこういった手法が取られてます。MMD(Miku Miku Dance)なんかはモーションデータのみを公開している方もいます。

ライティング

workflow_lighting

光が無いと物体は見えないです。 なので、光を出してあげなきゃいけません。

撮影とか舞台とかでいう照明さんの役割です。 写真撮影などの経験がある方はご存知かもしれませんが、このライティングによって全く雰囲気が変わります。ちょっと考えればわかりますが、昼間なのか、夜なのか全然光の当たりが違います。

さて、キャラクターにライトを当てました。 いよいよ最後の工程です!

静止画なら、モデルデータに対して、ライティングをしてあげれば、それだけでOKです。建築CGとか、製品ビジュアルなんかはそれでOKですね。

レンダリング

workflow_rendering

最後の工程です。今まで作ってきたものから絵(画像)を描き出すのがレンダリングです。

「どのくらいの大きさの画像にするのか」だとか、「どんな画像をどんな設定で出力するのか」などの設定をしてあげます。

大きく分けて、リアルタイムレンダリング(ゲームなど、その場で計算して動くもの)とプリレンダリング(映像など、画像データとして書き出されるもの)があります。この辺りも何を作るかによって制作手法が変わる3DCGの特性です。

まとめ

ものすごく大雑把にまとめましたが、全部通すと大体こんな感じです。

ここには入れませんでしたが、ダイナミクスというCGの物理シミュレーションはものによって、アニメーションの一部だったり、セットアップの一部だったり、布なんかのモデリングに使ったりと色々なところに使われます。

水のシミュレーションとか爆発のシミュレーションとか群衆シミュレーションとか、シミュレーション単体系のものもあります。こういうのはCGソフト内でもできますが、ちゃんとしたものを作ろうとすると専門の方がいたり、専門のソフトを使ったりと結構高度な知識を要求されます。

はじめにも書きましたが、3DCGは利用用途が多岐にわたるので、作るものによって制作手法が変わります。
また、一方通行のように見えますが、実際は行ったり来たりしますし、例外も勿論あります。

ゲーム用のデータを元にゲームの映像を作ったりとか、映像用のデータからゲーム用のデータを作ったりとか、色々とデータをいじくりまわすこともできますが、何を作りたいのか明確にしておくのをオススメします。

CGの会社なんかでは、それぞれ担当の人が決まってて、「俺はアニメーション!」「私はモデリング!」「僕はセットアップ!」「俺はライティング!」「私はレンダリング!」などと分かれていたりします。もっと言うと、「俺はキャラモデリング専門!」「僕はツール開発専門!」「私は物理シミュレーション専門!」などと細分化されていたりします。

活用法としては、近年の傾向をざっと挙げるとこんな感じがします。(主にネット界隈)

  • オリジナルの3DCG静止画作品。
  • オリジナルの3DCGアニメーション。または実写合成映像(VFX)。
  • AfterEffectsなどの動画ソフトで作る映像の補強用。
  • ニコニコなんかのMMD(Miku Miku Dance)動画は、モデルだけ誰かからもらってくるとか、アニメーションだけ誰かからもらってくることが多いようです。
  • イラスト・漫画のためのアタリ、または背景。ポージング参考など。
  • モデルデータをネットで公開。WEBページでも3Dモデルが普通に見れます。
  • 3Dプリンタを使って、製品のデザインの試作や、手作りでできないような複雑なものを作る。ペーパークラフトなんかも作れます。
  • AR、VRなどゲーム、インタラクティブメディアっぽぃことに使う。
  • 物理シミュレーションなどでゴネゴネして面白い動画をつくる。(プログラム系の人は変な研究をしているひとも沢山います)
  • フライトシミュレーションとか体験系のものに使われる。
  • 3D(立体視)映像を作る。

などなど。。。活用法はいくらでもあるので、制作の流れでどんなデータができあがるのか把握しておけば、色々と面白いことができると思います。

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