こんな事がやってみたい、こんな風になってみたい、こんな事ができるようになりたい・・・など、人には願望があると思います。これが『夢』です。それを達成するための過程が『目標』です。
夢と目標は違う
「夢と目標は違う」とよく言います。成功しているほど、この意識がしっかりできています。
辞書を引くとこう書いてあります。
【夢】
- 睡眠中にもつ非現実的な錯視または幻覚。
- はかない、頼みがたいもののたとえ。
- 空想的な願望。
- 将来実現したい願い。理想。
・・・広辞苑より引用
【目標】
目じるし。目的を達成するために設けた、めあて。
・・・広辞苑より引用
私がここで書いている夢の意味としては、4つ目の『将来実現したい願い』が当てはまります。
ここで強調したいのは、「実現したい」というワードです。つまり、夢は実現するためにあります。なので、できるだけ具体的な方がいいです。
- 「~したい」
- 「~がほしい」
- 「~になりたい」
- 「~になってほしい」
- 「~が実現してほしい」
といったことです。わかりやすい例は、ジャンプの漫画なんかを見てると沢山あります。「海賊王におれはなる!」などです。とても具体的でわかりやすいです。
そうすると、「目的」に当たるのは夢なので、目標は『夢を達成するために設けた目印』となります。 「目印」という意味からすると、目標は沢山あっていいことになります。また、「達成できること」が目標です。
具体的な例でいくと、漫画家になりたい青年がいたとします。
「プロの漫画家になって、自分の考えたこの冒険物語を描き、こんなメッセージを伝えたい」というのが夢です。
その夢の実現には多くの目標を達成していく必要があります。 いきなり夢が実現することはありません。 「絵を描き始める、物語を書き始める」といったところから、「絵の研究や探求をしてクオリティを上げる」、「色んな人に見てもらって講評を得る」、「出版社に持ち込む」、「新人賞に応募し、章を得る」、「プロになる」、「プロとして書き続ける」といったステップが必要になります。
これを見ると、各地点での達成できる事柄、つまり目標点がいくつか必要なことがわかると思います。
つまり、夢を実現するためには、目標を達成していく必要があります。
目標の組み立て
ここで重要になるのが、目標の組み立てです。目標をどうやって達成していくかです。
この組み立ての根幹となるのが、基礎、応用、実践です。
基礎
何かをしたいと思った時に、最初まず基礎的なところから入ります。
なんでもいいからやる
この段階で何よりも大事なのは、まず何でもいいからやってみることだと思います。「~がないから・・・」とか「私下手だから・・・」とか「なんだかよくわからない!」と言わないで、できることから手をつけてみてください。やらないことには上達しません。
マネをする
全ての段階で大切なことが「真似をする」ことだと思います。 「真似をする」というと「パクリになる」とかいって、なんだか真似しちゃいけないような気分になりますが、習得の基本は「マネをすること」です。「学び取る」と言うくらいですしね。
歩けるようになるのも、言葉を覚えるのも、文字が書けるようになるのも、「他の人がやっていたことを同じように真似してみたらできるようになった」ということを人間はやってきています。学習というやつです。
学校というのも、先生の言っていることを真似して色々なことができるようになります。本から学び取るのも同じです。
絵なんかもそうです。子供は適当に描いているようにも見えますが、絵には必ずモチーフがあります。それが、お父さんお母さんだったり、風景だったり、感情だったり、色々とあります。あるものを「見て(感じて)描く→写し取る→真似る」と考えれば、これも学習の一つだと考えられます。”真に似せる”と書いて”真似る”と読むので、実に言葉にあっています。
要するに、”そのモノが持っている要素”を感じ取る、確認する、捉えるのに一番効率がいいのが「真似をして同じことをやってみること」なのです。大体真似しようとすると、同じようにするのはかなり難しいです。
もちろん、人の描いた絵とかをあたかも”自分がやりました”とか”俺のオリジナル”みたいな感じで発表しちゃうと、それはいわゆる「盗作」になります。でも、練習目的とか研究目的ならガンガン真似するべきだと思います。
”人のやったことを真似る”のもいいですが、”自然の中にある現象や生物などを真似る”と結構オリジナリティが出てくると思います。自然の中にある情報量は半端じゃないです。
応用
次に、ある一定のところで応用に入ってきます。
ここでいう応用とは「自分で考える」ことです。 基礎が習ったり、覚えたりすることなら、応用はそれを使って自分でやってみることです。 基礎の時ほど大きな変化ではないので、変化が感じられず成長感が得られない場合があります。 また、停滞期に入ると基礎の時よりもさらに成長してない感じがしますが、ある時ふっと気づくと色々なことができるようになってたりします。
実践
最後に、実践です。
ここまで来ると、目に見えるようなものではないですが、何かをしている間に人間は成長はしているものです。
停滞期
各段階、最初のころは成長が著しいです。
ですが、あるとき突然スランプのように成長が止まる時期があります。 いわゆる停滞期です。 この停滞期のときに、いかにくじけずに取り組み続けられるか、元々持ち合わせているモチベーションによって変わります。 この停滞期をくじけずに取り組み続けると、ある時「ぁ、分かった」という感じでステップアップしていくことができます。
継続する
各段階でこの流れが階層的になっています。 基礎の中でも”基礎””応用””実践”があります。 その中でも”基礎””応用””実践”があります。
この階層の一番小さい単位での目標を決めていくことが重要です。 つまり、日々の目標的なところです。
そして、これを続けていくことが大切です。
大きな志を持って、目標を高く設定するのはいいのですが、目標が高すぎて自分が成長してるんだか、目標に近づいているんだか、わからなくなってしまいます。 むしろ、ほんの少し努力すれば達成できる目標を設定して、それをクリアすることで達成感を得た方が、モチベーションを維持できます。
これと似たようなことを私は色々なところで見聞きしたことがあります。
まず、野球選手のイチロー選手が言っていました。
イチロー選手は一年ごとに目標を決めて、それを確実に達成していっているとか。また、イチロー選手は毎日のルーチンワークをすごく大事にしています。
「僕は高校生活の3年間、1日にたった10分ですが、寝る前に必ず素振りをしました。その10分の素振りを1年365日、3年間続けました。これが誰よりもやった練習です」
と語るほどです。まさに「継続は力なり」を体現した人だと思います。
あと、あまり有名な方ではないですが、宮崎駿監督や高畑勲監督を支えた保田道世さんという方が似たようなことをしていました。(参考:アニメーションの色職人)
この方は色彩設計の方で、取り組んだ各作品ごとに作品にあった色を作るためにものすごく努力していました。映画によってはできなかったこともあったようで、それを次の映画に活かすという形をとっていました。
目標という感じの表現はしていませんが、いわばその時できる最大限をしていった方だと思います。
モチベーション
夢を叶えるためには目標を達成する必要があり、目標を達成するためには継続していく必要があることは以上のことからわかります。そして、継続していくためにはモチベーションが必要になります。
モチベーションについてですが、私はこの辺が建築と同じようなイメージがあります。
上図のように建築は、いい土壌を探して、土の上に基礎を作り、その上に建物が建ちます。 この”土壌”がモチベーションです。 いいモチベーションを持てば持つほど、基礎は広がり安定し、その上に立つ建築物も安定します。 大きなものを建てようと思えば思うほど、その土壌はいいものである必要があります。
また、基礎がおろそかになれば、その上の建築物は安定しません。 もしかしたら崩れてしまうかもしれないです。
なので、モチベーションが大事になってきます。
では、夢を実現する一番の基盤はどこになるのか?
それはモチベーション、 つまりは『「やりたいな」という気持ちをつくっていくこと』だと思います。