レイヤーマスク
レイヤーマスクの考え方
レイヤーマスクは、レイヤーの画像に対してマスクをかける機能です。
このマスクは実際グレースケールの画像でできていて、明度によってマスキングがかかるようになっています。白の部分の不透明度が上がり(残る)、黒の部分の不透明度が下がる(消える)仕様になっています。
レイヤーマスクの作り方
選択範囲を作って、レイヤーパネルの「マスクを追加」ボタンを押します。
すると、こんな感じでマスクをかけることができます。
同じ要領で、フォルダを対してマスクをかけることもできます。
レイヤーマスクの編集法
レイヤーマスクを選択してブラシなどで描くとマスクが編集できます。
マスクを選択しているときは、マスクに対して色調補正などもかけることができます。 なので、私はよくマスクを反転したいときは「Ctrl+I」でパッと反転させたりします。
また、「Alt+マスクサムネイルをクリック」すると、マスクの中身(グレースケール画像)を表示させて直接編集することも可能です。どのくらいマスキングさせているのかや、効果範囲が明確にわかります。
レイヤーパネルで普通にレイヤーを選択するようにクリックすれば、元の表示に戻ります。
レイヤーマスクのコピー
方法①:マスク画像をコピーする
レイヤーマスクを別のレイヤーにコピーしたいときは、マスクの中身(グレースケール画像)をコピーしてあげればできます。
まず、「Alt+マスクサムネイルクリック」でマスク表示にし、Ctrl+Aで全選択した後に、Ctrl+Cでコピーします。
これで、マスクに使っている画像がコピーできます。
次に、コピー先にまだレイヤーマスクがないので、新規マスクを作ります。
Alt+サムネクリックでマスク表示にし、Ctrl+Vで先ほどコピーした画像をペーストしてあげます。
すると、マスク画像としてペーストされるので、同じマスクをコピーすることができます。
表示を元に戻すと、こんな感じになります。
この考え方を応用すれば、普通に白黒画像としてあるものを、
こんな感じでマスク画像として使うこともできます。
方法②:選択範囲から作る
Ctrl+マスクサムネクリックで選択範囲作って、
他のレイヤーに移動し、新規マスクを作れば、
同じものができあがります。こんな考え方からコピーするという方法もあります。
方法③:ショートカット
単純にコピーするだけなら、ショートカットが用意されています。Altキーを押しながらマスクサムネイルをドラッグすると、
マスクをコピーすることができます。
レイヤーマスクを一時的に切る
「右クリック→レイヤーマスクを使用しない」を押すと、
一時的にマスクを切ることができます。
逆に使いたい時は、同じように「右クリック、レイヤーマスクを使用」を押せば、元に戻ります。
レイヤー画像とマスク画像のリンクを切る
デフォルトではレイヤー画像とマスク画像はリンクされているので、動かせば一緒に動きます。
ですが、マスク画像だけを動かしたい場合などもあります。そこで、レイヤー画像とマスク画像のリンクを切ります。
レイヤー画像とマスク画像の間にある鎖のようなマークをクリックすると、
鎖がなくなり、それぞれ個別で動かせるようになります。
元に戻したい時は、同じ場所をクリックすれば、元に戻ります。
レイヤーマスクとベクトルマスク
レイヤーマスクはピクセルで構成されている画像ですが、マスクの作り方としてパスで作るベクトルマスクというのもあります。
レイヤーマスクとの併用もできるので、使いこなすと結構便利です。
まず、パスの設定をシェイプレイヤーにして、パスを作ります。
この時点でベクトルマスクが作られるので、マスクの部分を適用したいレイヤーにドラッグします。
すると、こんな感じでマスクが適用されます。
残ったベタ塗りレイヤーは消してしまって大丈夫です。
こんな感じで、パスを後から編集することもできます。
ベクトルマスクにレイヤーマスクを重ねることもできます。
レイヤーマスクを追加ボタン、またはレイヤーマスクをコピーなどして、レイヤーマスクを作れば重ねることができます。
クリッピングマスク
すぐ下にあるレイヤーの形で切り抜かれる(クリッピングされる)マスクです。既にあるレイヤーから即席でマスクを作れるので便利です。
Altを押しながら、レイヤーとレイヤーの間をクリックすると、
下のレイヤーを使って上のレイヤーがクリッピングされます。
よくそのレイヤーだけに対して、調整レイヤーやレイヤー合成で色を変えたり、質感を足したい時などにすごく効果を発揮します。
塗りつぶしレイヤー
マスクと併用して使うと、色々と使える「塗りつぶしレイヤー」を紹介したいと思います。
作り方は、レイヤーパネルの調整レイヤーの中から選択します。
ベタ塗りレイヤー
ベタ塗りにしてくれるレイヤーです。
調整レイヤーの中から選択すると、色を選んでベタ塗りにしてくれます。
デフォルトでマスクがあるので、
こんな感じでマスキングすることもできます。
このレイヤーの便利なところは、サムネイルをダブルクリックすると後から色を変更できるところです。ただ塗りつぶしたレイヤーよりも、リアルタイムで色の変化が見れるので、色の調整のときなんかに便利です。
グラデーションレイヤー・パターンレイヤー
同じ要領ですが、グラデーションレイヤーや、パターンレイヤーというものもあります。
グラデーションレイヤーはその名の通りで、グラデーションを作成してくれます。
パターンレイヤーは、photoshopのパターン機能を使って塗りつぶしてくれます。
透明ピクセルをロック
今描いてあるものに対して、はみ出して塗りたくない場合があると思います。マスクを作るのもいいのですが、もっと簡単な方法があります。
それがレイヤーパネルにある「透明ピクセルをロック」です。
その名の通りで、これを押すと、透明な部分がロックされ、今描いてある部分にのみ描くことができるようになります。
ちょっとはみ出して塗りたくないくらいだったら、これを使うと便利かもしれません。
クイックマスク
選択範囲もマスクの一種です。そんな一時的に作る選択範囲を微調整するのに役に立つのがクイックマスクです。
ざっとした選択範囲をまず作ります。
クイックマスクボタンを押すか、ショートカットqキーを押すと、クイックマスクモードになります。
すると、マスキングされている部分が赤くなります。
マスク画像と同じようにグレースケールで表現されているので、ブラシで描くことができます。
クイックマスクモードを解除すると、塗った部分が選択範囲としてできあがります。
写真などを一部分切り取ったりするとき、微調整によく使ったりします。
この選択範囲ですが、マスク画像として保存することもできます。
メニューの「選択範囲」→「選択範囲を保存」を押すと、
こんなメニューが現れます。
- ドキュメント:このドキュメントに保存するか、新規ドキュメントとして作るか
- チャンネル:すでにあるマスクに変更を加えるか、新規チャンネルとして作るか
- 選択範囲はすでにあるマスクに変更を加える場合に、どういう処理をするかを選べます。
今回は新規チャンネルとして保存すると、こんな感じで新しいアルファチャンネルが追加されます。
アルファチャンネルはマスクと同様グレースケールの画像なので、全選択してコピーすれば、
こんな感じでレイヤーマスクとして再利用することもできます。
マスクパネル
CS4から付いたマスクパネルについて紹介したいと思います。CS6からは属性パネルと名前が変わりました。
マスクに関する情報がまとめて操作できるパネルで、写真を切り抜いたり、マスクの微調整を頻繁にやる場合は使うと便利なモノです。
まずマスクを選択します。
これがマスクパネルです。メニューの中の「ウィンドウ」→「マスク」で出すことができます。
右上のアイコンで、ピクセルマスクやベクトルマスクの選択ができ、作られてなければ追加することができます。その他、マスクの調整に必要なモノが揃っています。
濃度をいじると、マスクの適用度合いを変えることができます。
ぼかしをいじると、ぼかしが掛かります。
マスクのエッジ周りの細かい調整なんかもできます。
エッジ周りの調整に関しては「選択範囲」と「マスク」再入門 ② | Shuffle by COMMERCIAL PHOTOで詳しく解説してくれているので、写真の合成なんかをされる方は参考にするといいかもしれないです。
こんな感じで色々できるのですが、やろうと思えば画像補正でもできます。特筆すべきは、これらが非破壊で行える(あとから再調整できる)という事です。
各々のレイヤーマスク自体に記憶されているようなので、レイヤー間でコピーや移動を行っても、情報は保たれています。
何度も調整したいときなんかは役に立つと思います。