ビューポート上での基本操作
よく見るこの3DCGの4分割画面。この画像はmodoというソフトのものですが、どのソフトでも一緒です。 まず、この三面図+パースのカメラの扱いから覚えましょう。
パース
3DCGというのは基本的にこのような操作画面も現実のカメラと同じような考え方で映しています。 画面に映っている視点の位置にカメラがあります。そして、まさにカメラで映しているのが、パースの画面になります。
ここで注意しないといけないのが、その「パース」の掛かり具合なんです。
カメラにはレンズがありますよね。広角レンズといって広い範囲をワイドで撮るものから、望遠レンズといって遠くのものを撮るものもあります。つまりレンズによって、パースのゆがみが変わってしまうわけです。
試しにmodoで設定すると、こんな感じです。
これに気を付けないと、キャラクターの顔、特にアニメ調のキャラクターの顔などは見え方がガラっと変わってしまいます。
「それじゃ、パースではモデリングをしない方がいいの?」と思われる方もいるかと思いますが、そんなことはありません。あくまで「パースの画面はカメラで撮っている」と気を付けていればいいだけです。
なので、作るものに対して、適切な見え方になるように設定しておけばいいわけです。立方体などを出して、パース感を確認しておくといいかもしれないです。よくわからなければ、デフォルトの設定にしておいてください。
一応、方法は違えど主要ソフトは設定できるはずですが、もしかしたら一部カメラの設定ができないソフトもあるかもしれないです。
メタセコは特殊で、カメラ操作で「ズーム」と「ドリー」という操作があります。カメラの話になるのですが、「ズーム」は平面率が変わります、「ドリー」はカメラが移動するだけで、平面率は変わりません。
この辺りは、ポリゴンモデリングに関わらず、全てのモデリング方法に対して言えると思います。
三面図(平行投影図)
三面図はXYZ軸からそのまま正確に平面に落とし込んだものだと考えるとわかりやすいと思います。
要は機械とかの設計図みたいなものですね。
三面図は正確に「正面」「上面」「右面」といった具合に置かれているので、操作がしやすく、わかりやすいです。
ただ、立体感が把握しづらいので、パースを見ながら三面図で動かすなんてこともします。立体で把握しながらモデリングするなら、パースでモデリングします。
よく3DCG系のキャラクターデザインである三面図を使ってモデリングする場合や、工業デザイン、建築物などを作る場合は、この三面図を多用します。
画面を動かしてみる
これらを踏まえた上で、カメラワーク、つまり画面を動かすショートカットをまず習得してください。
- タンブル:対象を軸に回転
- トラック:上下左右に平行移動
- ドリー:対象に向かって前後の移動
- ビューフォーカス:対象を画面中心にとらえる
3DCGの作業ではカメラを動かさないということはありえません。それほど重要な操作なので、ショートカットで素早く動かした方が効率的です。
多くのソフトでは、ビューポート(3Dモデルが映る画面のこと)の右上にカメラを動かす用のアイコンが付いていますが、あれはほぼ使いません。左手で飯食いながら、モデルをチェックするときくらいです。
プリミティブを出す
カメラの操作ができたら、プリミティブを出してみましょう。プリミティブとは、立方体、球、円柱などの基本的な形状のことです。
ソフトによってプリミティブの形状が豊富なものもありますが、基本的にはこの画像にある立方体、球、円柱、円錐、トーラス(ドーナツ状の形)くらいしか使いません。
このプリミティブをベースに、形を作っていきます。
作ろうと思った形に近いような形、またはポリゴンの流れがそれに近いものを選んで作り始めます。人間などの複雑な形状は、人によって作り方が変わりますが、基本は立方体から作ります。
最初はどのプリミティブを選んだらいいか迷うこともあるかと思いますが、いくつか作っていくと段々見えるようになってくるので、安心してください。
選択する
ポリゴンモデリングでは、ポリゴンの構成要素である、点・線・面(ポイント・エッジ・ポリゴン)のどれかを選択して、それに対して各ツールの処理をかけます。(非選択状態では全てに処理がかかるものもありますが)
なので、「選択」という動作が非常に重要になってきます。
基本の選択としては、点・線・面の選択と選択の解除、追加選択と一部選択の解除くらいです。
この辺りからソフトによってアプローチが変わってくるのですが、基本の選択に加えて覚えておいた方がいいものをいくつか挙げます。
選択の拡張・縮小(Grow/Shrink Selection)
現在選択しているところから、選択範囲を一段階広げます。
ループ選択(Loop Selection)
現在選択しているところの情報をベースに、ポリゴンの流れに沿ってループで選択します。
連続面の選択(Connect Selection)
現在選択しているところの情報をベースに、繋がっている面を全て選択します。
移動、回転、拡大縮小(Move、Rotate、Scale)
選択ができたら、それを移動、回転、拡大縮小できるようにしましょう。
基本的に、頂点やポリゴンを選択して、それを動かすことで形を作っていきます。この3つの操作がモデリングのほとんどの操作といっても過言ではありません。ショートカットも覚えておいてください。
選択したポリゴンを消す
選択したポリゴンを消します。大体Deleteキーがショートカットになっています。
主要編集ツールを使う
ポリゴンを加工していきます。
ポリゴンを切ったり、押し出したりして拡張していくことで、複雑な形を作れるようにしていきます。
押し出し、ベベル
選択したポリゴンを押し出したり、ベベルと言って「押し出した後に、スケールも変える」という処理をすることで、ポリゴンを拡張していきます。
カット
選択したポリゴンを切ることで、より複雑な形を作れるようにします。
ソフトによってカットの方法が色々とありますが、自分の思うようにポリゴンが切れればOKです。ポリゴンの流れに沿ってループでカットする機能があるのですが、これは使えるようにしとくと便利です。
また、ソフトによって呼び名が結構変わります。「スライス」とか「ナイフ」とかその他色々あります。
頂点の結合
頂点を結合することで、ポリゴンの構成を整えます。
頂点の結合法もソフトによって若干の違いがあります。同じ場所の頂点をくっ付けるようなのもあります。
左右対称
人間、車など、左右対称に近いモチーフというものは沢山あります。 こういうものを3DCGで作る場合には、右だけ作って左はそれを左右対称コピーします。
モデリングのできるソフトなら必ず左右対称モデリングする方法があるので、その方法を調べておくと便利です。
これだけできればモデリングできます。
以上で、ポリゴンモデリングに使う最低限の要素は網羅できます。意外と少ないです。
もちろんソフトによって、変形がやりやすいとか、選択がしやすいとか、加工がしやすいとか、色々とありますが、「作りやすい」だけで作れなくはありません。
ゲームで動いているポリゴンのキャラクターを作っている人も、ハリウッド映画のCGのプロの人たちも、基本はここに書いたことと同じようなことをして、モデリングしています。
あとは、細かいポリゴンモデリングならではのテクニックを覚えるだけで、大体の形状は作れるようになります。